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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
まずは、あたしが無能とでもいうような上から目線をなんとかしてやろうと、あたしだってやればできるのだと、サクラがするものを盗み見て学び始めた。
料理をしているサクラが席を外した時に、中途半端に残された野菜や茸を切ってみたり。味付けをしてみたり。
あたしが仕上げたんだ、さあどうだと胸を張ってみても、
――繋がったり、歪だったり、皮がまだ残っていたりするこれらで、一体なにを"お遊び"に?
――遊びではなく、料理と言い張るのでしたら、さあ一緒に食べましょう。
濃すぎて食べられないほどになっている味付けは、いつもむせ返るほどに酷いもので、結局あたしもその状態で食べさせられる羽目になるけれど、サクラは顔色ひとつ変えずにその"変なもの"を完食する。
――残したら、お野菜さんやお肉さんに悪いですからね。悪いと思うから食べているだけです。
なにかその台詞がひっかかる。昔に聞いたような……。
――俺の知り合いの受け売りです。
気のせいだろう。あたしはサクラの知り合いなど知らない。