この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)


 さらさらと風に靡く髪の音が、やけに大きく耳に響く。


 絡み合みあったままの視線が外せない。

 呼吸が、自然と浅く不規則になってくる。


 汗ばんでくる、サクラの腕を掴んでいるあたしの手。この手をどうしていいのかわからない。サクラを突き飛ばしたら良いのか、視線を隔てる壁にすればいいのか。

 だけど、この手で……サクラの顔に触れてみたい気がした。


 サクラに……触れてみたい。



「……っ」


 言葉もないまま、あたしの震える手がサクラの頬に触れると、サクラはびくりとして怯んだような目をした。


 だが――


「っ……」


 静かに、あたしの手の上に……、自分の手を重ねた。

 今度はあたしがびくりとして、攣ったような呼吸を繰り返すと、サクラはなにも言わずあたしを見つめたまま、重ねた手の指を絡めてきた。


 息が……詰まる。

 
 小刻みに震撼する長い睫毛に縁取られた、切れ長の目。

 なにかを訴えるような切実な目で、痛いほどまっすぐにあたしを見て、あたしは……眩暈を感じた。


 強い吸引力を持つ黒い瞳から、目を離せられない。

 サクラの黒に囚われていく――。


 呼吸が出来ない喉の奥がひりついた。


 サクラの瞳は次第に熱を孕み、発火する直前の湯気のようにゆらゆらと揺らめきながら、しっとりと濡れてきて。あたしの胸と下腹部の奥を直撃するように、どくんどくんと脈打たせてくるんだ。


 ああ……、息が苦しい――。


 少しでも酸素を取り込もうと、唇を僅かにあけた瞬間、サクラの目が辛そうにぎゅっと細められていき、同じようにその唇が開いていく。

 サクラの熱い息が、そこからやるせないため息のように吐き出されたのを、あたしの唇が感じて、思わず全身が甘く疼いた。


 ああ、なにこの……もどかしい感じは。

 身体が火照る。身体がじんじんと疼く――。


 サクラに――触れたい。

 サクラに――触れられたい。


 サクラが欲しいと、切に思った。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ