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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

サクラの秘め事に、ドキドキがとまらない。
あたしが湯気の隙間より覗き見していることには気づいていないらしい。
サクラが、いやらしいことをしている……。
あの憎たらしいほど取り澄ましていたサクラが、あたしの名前を呼んで……淫らなことをしている……。
ああ、あのサクラが……あたしを考えてくれてるの?
ずるずると壁に背を擦るようにして、座り込んだサクラ。
着やせするタイプなのか、筋肉がついて逞しい身体を持ちながらも、気怠げで病的なまでに弱っている様子に見えるのは、淫靡な湯気のせいなのか。
膝を曲げて投げ出された長い両足。
脱ぎ散らかした服なのか、布らしきものをぎゅっと摘まみながら、身体を支える反対の手。
太腿の間で動く片手。
「はぁ……はぁ……っ」
揺れる頭。
反り返る喉もと。
艶やかな……喘ぎ。
そして――。
「シズル……っ」
振り絞るようにして出される、あたしの名前。
「はぁ、はぁ、はぁ……んっ、は……ぁ、ああ、シズ……ルっ」
振り乱れる黒髪――。
ねぇ、サクラ。
今あなたの頭の中で、あたしはなにをしているの?
あなたは、あたしになにを望んで名前を呼んでいるの?
あたしみたいに、触って貰いたい部分を想像のあたしに触らせているの?
――ああ、だめ、だめ――っ!! サクラ――っ。
「シズル、シズル……あぁ……俺っ、駄目、だ……っ」
秘部がじゅんと蕩けだした感触がして、あたしは足を擦り合わす。
むずむずがとまらない。あの痺れるような刺激が欲しい……。

