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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……
床がぽかぽかして気持ちいい。
今の神社はハイテクだなどと考えていたら、後ろで衣擦れの音がした。
気づいたら……ナツが上着を脱いでマフラーを床に放っていた。
薄手のニットシャツのナツが、あたしを後ろから抱きしめ、あたしをナツの膝の上に乗せた。
床暖房よりも、ナツのお膝の方が温かく感じた。
人工的な熱よりも、天然の熱の方が体が芯から温まる気がする。
ナツの願いがこめられた絵馬が飾られた部屋の中、ナツの熱と匂いに包まれ、心までもほこほこと……なんだか幸せな気分になった。
一緒に、ナツが書いた絵馬を見る。
「僕も……お習字習えばよかったな……。下手くそな字。本当に僕、字を書くのも読むのも苦手だったから」
あたしの耳もとで、ナツが苦笑したのが感じ取れた。
「……12年分のナツの成長が見れて楽しいよ。ありがとう、あたしを見捨てず……神様にお願いしていてくれて……」
「……少しは僕に絆された?」
「……さぁ、どうかな」
するとナツは、あたしの耳もとでやるせないような甘いため息をついた。
「絆されるまで、僕は何度でも言うよ……。
しーちゃんが好き……。たまらなく好き」
その甘やかな声を、鼓膜の奥に押し込めるように、ナツの舌がねちゃりと音をたててあたしの耳の奥に滑り込んでくる。
拡大される粘着質の音。
擦られる耳壁から、甘いざわめきが体に拡がる。
「ひゃ……ぁんっ」
体を捩らせて思わず声を漏らせば、ナツの唇があたしの耳朶を甘噛みし、舌先で卑猥に揺らしては、強く吸い上げてくる。
「ああ、それ駄目……っ」
ぶるりと震えて、思わずナツの腕にしがみつく。