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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……
 

「ふふ……色っぽいよ、しーちゃん。僕を煽り立てるのは、いつもしーちゃんの声。僕はしーちゃんの声だけで欲情する。しーちゃん……好き。好きだからね……」


 ナツの熱い声が、神楽舞いの神聖な音楽と重なる。

 祭壇もあるのに、罰当たりだと思う反面、そんな背徳感に体が敏感になってくる。


「しーちゃん……堕ちるなら、僕ひとりで堕ちるから」


 切なそうに瞳を揺らすナツの視線が絡みついてくる。

 ひとりでは寂しいと訴えるその様は、昔のナツのよう。

 違うのは、すべての責任を背負おうとするオトコの覚悟。


 ……ナツは、それだけ大人になったのだ。

 
「……あたしも一緒に堕ちるよ。……堕ちるなら、一緒に……」


 そう笑えば、ナツは泣きそうな顔で笑い……そして表情を変える。

 あたしを惹き込む……妖しい美貌のオトコに。

 あたしを翻弄させる、艶めくオトコの貌に。


 あたしの体の芯が熱く疼く。
 

 ああ、欲しい。

 この子が欲しい。


 再び体に火が付いたのは、あたしだけではなかったようで。

 
 ナツの手があたしの帯にかかり、あたしの帯を解きながら、反対の手はあたしの襟元から忍び込み、フロントホックを器用に外す。

 帯はするりと解けて、腹部の締め付けがなくなった。

 ナツが襟を左右に開いて双肩を露わにさせれば、両手が抜かれていない着物は、あたしの乳房を露わにした位置で、中途半端に止まり、まるで遊女のような淫らな姿をナツに見せつける。


「ナツ……恥ずかしい……」

 ぎらついた目で見つめるナツの視線から、両手で乳房を隠すようにすれば、ナツはその手を掴んでゆっくりと左右に拡げた。


「僕の愛を込めた着物から……こんなに淫らで綺麗なしーちゃんが出てくるのは、すごく感動的だね……」


 そう、うっとりとしたような声を放つナツは、あたしの両手首を掴んだまま、ため息のような吐息を放つ唇で、あたしの乳房に吸い付いてきた。


「はぅぅ……」


 じゅるじゅると唾液たっぷりに強く吸われた後、ナツの舌があたしの蕾を転がしては、唇で引っ張り上げる。


「あぁ……ナツ……」


 その気持ちよさに、体が後方に反り返った。


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