この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

 俺は、他人の疵を治すことができる。だがその代償に、俺の身体が傷つく。今までどんなに善意で疵を身代わりにして治しても、感謝されることはなかった。だから他人というものに興味を見せないようにして、生きてきたんだ。喜怒哀楽があれば、どんな善意も悪意で返るのを知っているから。


 だから俺の世界は母だけだった。

 母がいない後、大公にもこの力のことは言えなかった。

 尊敬するハルさんにも、親友のナツにも。

 ……姫が相手なら、尚更言えるはずがない。


 姫に嫌われたくないから。

 こうして白薔薇を見る姫の顔が、笑顔であってほしいから。


 白薔薇は俺だ。

 愛されたいと願う俺。


 白薔薇は枯れさせない。


 ……密やかに、袂にもう一輪忍ばせ、それを素早く取り替えたことによって、白薔薇が生き返ったように見える……、そうこれは手品という魔法。

 俺には、白薔薇を生き返らせるだけの奇跡は生めない。


 それでも姫が笑ってくれるのなら――。


――モモちゃんは、白薔薇を守ってくれる?

――はい。

――あたしの傍で、こうして守ってくれる? 約束できる?

――約束、です。あなたが望むまでは、ずっとお傍にいますから。

 
 もう必要ないと言われたその時は、きっと俺はこの世にいない。

 だけどこうして、薔薇園に行こうと、薔薇を守ってとあなたが俺に言うのなら、俺は姫の笑顔も薔薇も護り続けたい。


――うわあああ、モモちゃん大好きっ!!


 俺の方が好きでたまらない。

 苦しくなるほど、あなただけを見つめている。


 ……我が愛しの姫――。

/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ