この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 
 確かに俺は、ハルさんになりたかった。

 だけどハルさんからすべてを奪いたかったわけではない。

 奪えないからこそ、苦しかったんだ。


 だがハルさんは、俺がその王位を継承する身分になったことに、黙って頷くだけだった。……ナツも。


 おかしい。

 絶対これはおかしい。

 
 そう泣きながら訴える俺の言葉に、顔を向ける者はおらず。


 そして俺は見たんだ。

 王の失明の事態に初めて姿を現わした王妃が、歪んだ笑いをしていることに。遠目なのに、はっきりとわかったんだ。あの歪み方は嘲り。

 ……嘲笑が向けられているのは、ハルさん? それとも、国王?


 もしかして。

 もしかして、近親相姦の事実を王妃は知っていて、こういう事態を目論んでいたのではないか…。


 淫魔の周りは禁忌に走るという大公の言葉を思い出す。

 彼女の力なのだろうか、普通ならありえない…、"禁忌"の事態が立て続けにおきているのは。


 国王が夢中になるほどに綺麗……なのか、このひとは。

 姫の母親ならもっと清楚で貞淑ではないかと勝手に想起していたが、これではまるで娼婦なみに、厚塗りが凄い女にしか見えないけれど……。


 じっと見つめていたのに、王妃は気づいた。


 その毒々しいまでに赤い唇が動いた。


 "お前、なにものだ?"


 そんなの、俺が聞きたい。

 
 "お前も淫魔か?"


 続けられたその唇に、俺は多分思いきり不愉快そうにしたのだろう。

 王妃は突然高笑いをし始めた。

 まるでこれからは、自分の御代とでもいうように、開放感あふれた清々しい笑いを。



 そこから……不幸は始まったんだ。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ