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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

 
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――サクラ、ねぇ私湯浴みしたいの。

――サクラ、一緒に来て。足腰が立たなくて…。


 理性の適応内とはいえ、一度外してしまったタガは、"たった一度だけだから"という前回の固い決心を、簡単に覆してしまう。


――出かけないで、サクラ。傍にいて。


 快楽に目覚めた姫の、懇願のような誘惑に……、断固とした拒絶ができないのは、姫の味を知ってしまった"男"の身体が切実に姫を求め、そして姫を愛する俺の心が、姫とひとつになって愛を深めたいと、尚一層の渇望に悲鳴を上げていたから。


――あなたはあたしのお世話をしてくれるんでしょう? だったら、切なく疼くあたしの身体を、満たして?


 身体に触れない時は、姫を視界に入れられるだけで満足出来た。

 だが身体に触れてしまったら、視界に入れるだけでは満足できなくなった。


 姫の、"女"として開花しつつある…あの快感に耐える艶めいた顔と、俺の名前呼ぶあの可愛い啼き声を聞いてしまえば、姫をもっと可愛がりたくなって仕方が無くなる。

 叶わぬことなのに、俺に夢中にならせて、俺だけを見つめさせて、俺だけの腕の中に閉じ込めてしまいたくなる――。


 押さえ込んでいた愛が……止まらないんだ。


 姫の欲情を抑えるため…なんてただの言い訳。蜜に誘われる蝶のように、姫に魅了された俺は、意識とは関係なく……もう姫に触ってしまっている。

 姫と一緒にいられる残された時間がもう僅かだからこそ、俺の心身も姫に近づきたくて切ないんだ。

 割り切れない俺の想いが、俺を姫へと向かわせていた。

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