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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

「サクラ……ぁぁ、気持ちいい……こっち来て。サクラに……あああ……触っていたい……」
差し伸べられる手。
それに伸ばしかけた手を引っ込めた。
「目を瞑って……感じていて下さい」
現実には結ばれないのなら、せめて目を閉じた世界で俺が存在していて欲しい。現実では敵わぬ愛に満ちた繋がりをして、姫を全身で包み込みながら果てる俺の姿を、どうか――。
「いやあああ、サクラ、んぅぅぅぁあああああっ、サクラぁぁ……」
可愛い姫。
俺の姫――。
俺があなたを拒むのは、ハルさん達だけが理由ではない。
俺は誰にもそれを告げぬけれど、どうか俺は命ある限りあなたを愛し抜くことだけは、身体のどこかで感じ取って。
欲しくて欲しくてたまらず、俺のすべてを捧げたいあなたに――。
だから服を着て。
だから後ろを向いて。
だから姫のキスを拒んで。
思い出深い薔薇園での濃厚な交わりを、たった一度きりの…、本当の"最後"にして、俺はあなたを救うために、今度こそ動くから。
俺は、あなたの…俺との思い出の最後を、"男"の姿で飾りたい――。
身体だけではなく、心も男になりたいから。
だからせめて今、これくらいの意地悪を許して欲しい。
「姫は城の中でもいつもこうして、いやらしい蜜を垂れ流していらっしゃったのですか……?」
余裕ぶってみせて、綺麗な背中に這わせた舌を首筋まで舐め上げ、反対の手で姫の耳を弄れば、ぶるりと身震いした。
「……サクラが触るから……」
蜜でぬるぬるする蜜壷にてゆっくりと抜き差ししている俺の指は、姫の言葉を裏付けるように、姫の言葉と同時にきゅっきゅっと締まった。
「サクラが触ると……とろとろになっちゃうの……」
ああ、たまらなくなる――。
俺のすべては、姫のひと言で壊れそうになる。

