この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 


 外界の薄闇は、次第に闇の濃度を強めていく。

 城までがなんでこんなに遠い?


 サクラに会いたい。


 黒髪の麗しいひと。


 あたしにする皮肉気な物言いも、無防備に笑う顔も、妖艶に身体を触るその顔も、なにからなにまであたしを熱くさせる。

 あなたがくれた"同情"で、愛を育ててしまった愚かな女は、今……自滅しにあなたに向かう。

 それでもいい。

 あたしの中に咲いている薔薇が、枯れぬ内に。

 

 ようやく城が見えてくるが、本日城には大勢の客が招かれていたようだ。

 ああ、そういえば。


 今日は1ヶ月に1度開かれる、近隣国との友好を確かめる宴が開かれる日だ。

 宴の来賓客があたしと話すと、お母様の機嫌が悪くなってしまうため、宴を開催する国の王女の勤めとして、顔見せ程度の挨拶で終わらせて部屋に戻ることが多かった。

 なんだか今夜は、随分とひとの出入りが多い気がする。

 着飾った来賓客というより、軍服を着た男性の数が。


 ……今日は偉い人でも招かれたのだろうか。


 宴にお母様が出るのなら、きっとサクラはひとりになる――。


 そう思い、城に入ろうと足を踏み出したときだった。

 後方から口を塞がれ、腕をぐっと掴まれ、茂みに連れ込まれたのは。


 殺される!!


 直感した。


 自分の住まう城の前で、もう少しでサクラに会えると思ったこの時に。


「……ふ、ふふふ――っ」


 抑えられている口は、空気のような音しか漏れない。

 そんなあたしに投げられた声。

 それは――。


「落ち着け、お前をどうこうしない。大丈夫だ!!」


 黒髪の……、


「誰?」


 野性的な美貌を持つ男。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ