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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
……ああ。あたしはサクラにおねだりしてしまうほどのはしたない姫になってしまったけれど、さすがに再会したばかりの男に、欲情もしていない素面でこんな言葉を堂々と叫べるような、女ではなかったはずなのに。
ハルは呵々と笑った。
「そう聞いたのか?」
「聞いてないけど、お母様の香りが……」
「ああ、あのきっつい香水な。そんな女と繋がろうと思うほど、あいつは馬鹿な男じゃねぇ。いくら頼まれても、やりきれるだけの知恵はある」
「え……」
「直接本人に聞けばいいだろう。童貞ですかって」
「そ、そんなこと……」
「お前から逃げるなら追いかけろ。お前を抱かないのなら押し倒せ」
「いや、でも……あたしに魅力がないのかも……」
ああ、どうしてあたしは、ハルにこんなことを愚痴っているんだ。
すると突然ハルの手がぐっと伸びたかと思うと、ドレスの上からあたしの胸をがしっと掴んで、やわやわと揉み始めた。
「ちょっ!!」
あたしが怒る前に、ハルがその手を離し、まだあたしの胸を揉んでいるように手を卑猥に動かしながら、満足気に言った。
「よしよし。良い感じに育ったな。それなら男ならすぐ抱きたくなる」
「そんな慰めなんて……」
「抱きたくなる。普通の男なら。お前の肌に触れて、お前のすべてを奪いたくなる」
その眼差しは突如熱を孕み、なにかを訴えるように切なげに揺れる。
だが自嘲気な笑いを口元で作ると、あたしに微笑んだ。
「チチを俺様に揉ませた褒美に」
優しげなのに、どうして出る言葉は……。
「俺が……サクラを解放してやる」
「え……?」
凜として、柔和なハルの眼差し。
――オイコラ、シズ――っ!!
あたしは、こんな眼差しを……きっと今まで受けていた。