この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 
「ど、どうしてお前が!?」

「王女のあたしは、宴に出て皆様にご挨拶をしなければ。お騒がせしてすみませんでした皆様」

 いない。いない、サクラが。

 そして今宵の宴の出席者はあたしの見知った顔ばかり。いつも以上に人が多い宴にて、あたしはサクラを探すが、給仕達にも混ざっていない。

 どこ、どこ!?


「王妃様、大丈夫ですか?」



 そして見つけたのだ。


「――っ!!」


 お母様にいやらしく触られていた軍服の男こそが、サクラだった。


「サクラっ!!」


 だが――。

 サクラがあたしを見る眼差しは、他人をみるように冷ややかだった。


 別人なのかとも思ったが、あたしの心が否定する。


 これはサクラだ。

 あたしは好きな男を間違えない。


「サクラ……」

「王女後崩御を聞きつけ、どこぞの街娘が大胆不敵にも王女にとって代わろうと乗り込んだようです」

「サクラ、あたしよ!? シズルよ!?」

「王妃様。私が追い出しましょうか?」


 追い出す……?


「あたし、あなたに会いたくて……」

「ああ、早くこの不届き者をここから出して、罰しなさい!!」

「お騒がせしました皆々様。女王の御前であるまじき王女様の偽物の出現。どうぞ信用なさいませぬよう…」

「そんな!! サクラ、ねぇ……」


 サクラの腕を掴むと、サクラにパンと払いのけられる。


「私に触れるな、無礼者」


 メガネの奥の目が冷酷な光を宿した。


 このひとは……サクラじゃないの?

 それともサクラはあたしがわからないの?


「ひとまず牢に捕えましょう、王妃様」

「ああ、そうしてくれ」


 お母様があたしを見て、残忍な笑いを向けた。


 どういうこと?

 ねぇ、なんでサクラはお母様の味方なの?

 そこまでお母様が好きなの?


 あなたは誰?

 なんであなたが、昔ハルが着ていた隣国王子の"正装"だという煌びやかなあの白い軍服を着てここにいるの?


 金銀の豪奢な装飾や飾緒に負けじと、メガネをかけていてもサクラは凜と美しい顔をさらすのに、あたしには彼とお母様が繋がっている腕の部分から目を離せなくて。


――大した奴だよ、あいつは。

/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ