この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 


 シズル Side



 目が覚めたら――。


 見慣れた自室の天井。

 あたしは、自分の天蓋つきのベッドで寝ていた。


 夢……?

 どこからどこまでが?


 よくわからず、ぼんやりとした頭を振り絞る。


 そしてあたしの手が繋がっているのを知った。

 見ればあたしの羽布団に顔をつけるように伏せている男……。

 ふわふわのミルクティー色の髪が柔らかそうで。


「誰?」


 その声に、ぴくりと手が動いて……男が顔を上げた。

 美麗な顔立ちをした白皙の青年。ココア色の瞳が吸い込まれそうで。



「目覚めたんだね、しーちゃん……」

「誰?」

「僕だよ、ナツだよ?」

「ナツ……って、えええええ、ナツ!?」


 ナツと名乗った男は嬉しそうに微笑んだ。

 その笑顔は蕾がふわりと花開こうとする瞬間のように。


「なんで、なんで!? ハナタレ姿は!?」

「うん……鼻水とまったみたい」

「そう……。って、止まったからってこんなにならないでしょう!?」

「しーちゃん、昔の僕と今の僕どっちがいい?」


 優しい笑顔で聞かれて、あたしは答えた。


「よくわからないや。どっちもナツじゃない。ハナタレナツ、あたしすっごく可愛く思ってたし、ナツが綺麗になって嬉しい反面寂しいし…複雑」


 するとナツはとびきりの笑顔をつくった。


「うふふ、だからしーちゃん大好き」


 ナツの手があたしの頬をひと撫でしてから、あたしの黒髪を耳の後ろにかけてくれた。


「好きだよ、しーちゃん……」

「あたしもナツが好きよ? 今までナツ、どうしてたの?」


 あたしの切り返しのような言葉に、僅かに切なげに翳った顔。

 ナツが口を開く前に、ドスドスと大股で現れたのはハルだった。

 ノックという礼儀を知らないようだ。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ