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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
「このひとが欲しい。だけど、だけど無理なんだ。俺ではこのひとを幸せに出来ない!!」
「ちょっと待って、サクラ!! あたしの幸せを勝手に決めないで!! あたしは、サクラと一緒に……」
「妹なんだ、あんたは!!」
「……え?」
「王妃はあんたの母親でもあり、俺を捨てた母親でもある!!」
悲痛な叫びが、その後の静寂を強めた。
「俺もあんたも同じ淫魔を母親に持つ。だから禁忌を呼び寄せた。国王のこともそう、俺があんたを好きなのも、あんたが俺を好きだと思うのも。すべては、俺達に流れる同じ血のせいだったんだっ!!」
「妹……」
「そうだ。俺達は、兄妹だったんだ!!」
「――だとさ、意見を述べよ、ナツ」
「うーん、サクラって凄く頭いいけど、馬鹿だよね」
「ああ、俺様もそう思う。だけどまあ、人間らしくていいんじゃねぇか?」
「そうとも言うね。ふふふ、なんだ。サクラが片意地張ってたのは、そこだったんだ。だけどまあ、ハル兄や僕に対する遠慮もあるっていうのは、ひしひしと感じていたんでしょう、ハル兄」
「ああ。シズが誰を選んだのかとはっきりした時点で、なんでそこまで俺様に遠慮するのかと思ったが……」
「ねぇ、ハル兄」
「なんだナツ」
「……ぷぷ…」
「くくく……」
「「あははははははは!!」」
兄弟は腹を抱えて笑い出した。
あたしはその理由がわからない。
サクラはカチンときたようだった。声を荒げてふたりに言う。
「なにが、なにがおかしいんだ!! ふたりは血が繋がらない他人だから気楽かもしれないけど、俺は、俺は――っ!!」
「シズ。お前、サクラの妹と聞いてどう思った? 正直に」
あたしは正直に答えた。
「ありえない」