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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
するとふたりはまた爆笑し、サクラだけが必死になる。
「あんたまでっ!! 兄妹の関係を軽く思うなよ!! 俺達は禁忌の関係だぞ、結ばれることは許されない関係だぞ?」
「ん……。だってあたし、妹じゃないもの」
「だから!!」
「シズ、サクラとナツは共に19歳。お前はそれより歳は上か、下か?」
「上。妹じゃなくてお姉さん」
「……っ⁉︎ そ、それは大公に聞いている。俺が大公の養子になった時には、もう姫が生まれていたから」
「それなのに、若作りの淫魔の王妃様が"妹"と言った時点で疑問に思わなかったんだ? なんで"姉"じゃないのかって。まあサクラを懐柔しようとした王妃様のツメが甘いんだろうけれど、サクラも普通なら気づけたと思うけどね」
ナツの言葉にサクラは言葉を失ったようだ。
「ツメって?」
「王妃様だってお気に入りを傍に置く際には素性を調べるよ。しかもサクラは突然王子になったんだし」
「お、王子!?」
知らなかったあたしは裏返った声を上げた。
だからハルの正装を着ていたんだ。
「そうしたら実母を調べる時に、その特徴として誰かが言ったんじゃない? まあそうなればお母さんの胸を見ているひと、になっちゃうけど」
「……ありえる。母は娼婦だったらしいから。胸に痣があることは…」
「だったらさ、息子に気づかない母親のフリしてそれっぽいのつけてたんじゃないの? あのひと、ただ単純に禁忌の雰囲気を楽しんでいたんじゃない? ちなみにさ……僕の記憶では、なかったよ、そんなもん」
「は!?」
実の親と思いながら愛人やってたサクラならわかるけれど、なんでナツまで知っているのだろう。そう思ってナツを見たら、ナツはにっこりと微笑んだ。
「しーちゃんの記憶は?」
遠い昔。
お母様と一緒に眠っていた頃、はだけた胸を見たことがある。
そこには痣は……、
「なかった」