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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「ほらね、サクラ。僕にでも相談してたら即解決してたのに。何度も森に来てくれていたのに、全然そんな話してくれないだもん」


 ぷっくりと頬を膨らますナツは、日頃サクラと会っていたらしい。

 なんでサクラ、その話をしてくれなかったんだろう。

 そしてなんでナツは突然戻って来たのだろう。


「え、だけど……ああ……」


 サクラ、絶賛混乱中。


「シズ、サクラと会ったのは何歳だ?」

「ええと……10歳の頃かな」

「10歳でお前がシズに初めて会ったとして。お前が母親と別れて城に上がるまで、大公の元で何年だ?」


「……1、年……」


 サクラはハルの言葉の意味するところがわかったのか、さらに脱力しながら気怠げに答えた。

「ふふふ、お母さんと別れた1年後のしーちゃんは、10歳だったんだ? お母さん、いつしーちゃんを生んだんだろう」

「お前の母親がお前に知られずに別のところで子供を作っていて、二重生活をしていた可能性もなくはない。だが娼婦と王妃は両天秤できないだろう、さすがに」


「普通分かるよね、ハル兄」

「ああ。普通に考えても、どこにもシズとサクラが同じ女から生まれた兄妹の要素なんてねぇよな」

「なんで兄妹だって思えたんだろうね」

「サクラもまた、禁忌好きの淫魔の王妃の毒気にあたったんだろう」


「……俺が悩んでいたのは、なんだったんだ?」



「無駄だったということだろうな」

「そうそう。悩み損ってこと」


 サクラが項垂れて前に倒れていきそうだ。

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