この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「それはつまり、俺がシズを幸せに出来ないと言いたいのか?」


 ハルが咥えるタバコの煙が、細くなりながら宙に消えて行く。


「違います。俺が、ハルさんの役目をしたいんです。ハルさんではなく、俺が姫の笑顔を守りたいんです。幸せにしたいんです」


 その悲痛な叫びに、あたしの胸はきゅうと切なく疼く。

 まるで求婚の承諾をハルに求めているように、サクラは真剣で必死だった。

「俺を奴隷にして扱き使ってもいいです。望むなら捧げられるところすべて捧げます。ですが、俺に……姫を、シズルさんを下さい。どうしてもシズルさんを諦めきれない。どうしても欲しいんです!!」

「サクラ。お前が俺の奴隷になったら、シズがどうなる? 今お前の身分はないというのに、シズをどう幸せに出来ると? シズを路頭に迷わす気か?」


「ハル兄、そんな言い方っ!!」

「しーちゃんは黙ってて」


 厳しい顔をしたナツが自分の唇に人差し指をたてた。


「俺が働きます」

「働き詰めのお前にシズをどう笑顔にさせられる? 大体シズは城育ちで、城外のことはなにひとつわかっちゃいねぇ。

たとえ色欲に耽るだけのあの淫魔の娘であったとしても、俺らの国に統合されかかっている弱体国であろうと、シズは生まれながらの王女。箱庭育ちのシズが、身分のないお前と共にいて平穏に暮らせられるとでも? シズが庶民の女のように、料理や裁縫をしたりできると思うか? なによりこのアホタレに、そんな高等技術を本気に期待するのかお前!!」

 ……なんだかひどい。アホタレは認めるけれど、あたしは料理を作れるんだ。サクラに鍛えて貰ったんだから。


「ハル兄。こう見えてもあたしはサクラに教わって料理ができるの。お裁縫も習ったの」


 ちょっとばかし威張り腐って言ったら、ハル兄だけではなくナツにも驚かれた。あたしがお料理とかできて悪いか!!
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ