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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
だけどあたしはくすりと笑う。
ここは、隣国らしい。
お母様はどうなったのだろう。
あたしの国はどうなっているだろう。
あたしは王女でいていいのだろうか。
逃げるではなく、あたしはあたしのままでいていいと?
……そうさせてくれたのは、かつてのあたしの王子様。
威張り腐って横柄で、だけど優しくて。
多分、あたしにとってハルが初恋だった。
だけどあたしはサクラを愛している。
サクラについていく――。
そう決心したのも束の間、ナツが戻ってくる。
「しーちゃん、しーちゃんのお洋服僕が用意したんだ。さあお着替えしましょうね。まずは下着からお選び下さい♡」
強制的に開けられたクローゼットには、
「え、なにこれ下着? こんな小さい布が下着?」
卑猥な下着が沢山。
頬を紅潮させて興奮するナツが言った。
「これならきっと、サクラがお気に召すかと思われます」
手にしたのは白いレースのガータベルト。
「それでは、宴が始まる前までにお着替えをすませましょうね~」
邪気のなさそうな笑みを浮かべながら、邪気のありそうな素早い手の動きであたしの服を摘まんだナツが、にやりと笑った。
「お手伝い致します~」
ナツ、ナツ……。
なんだか変態さんみたいな空気を感じるのは、暫く会ってなかったせい?