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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
ねぇ、お偉い様。サクラにずっと同じおべっか使わないで。一度言えばもういいじゃない、早く消えてよ。
空気を読んでよ、解放してよ。ああ、あたしにまで声かけないでよ。
「ハル兄、もうそろそろ許して上げたら? サクラもしーちゃんも、悶々気分が爆発しそうだし…。特にしーちゃん、相手に噛みつきそう…」
「ふん。俺様の前でいちゃつきやがったバツだ。これから死ぬほど抱き合えるんだ、これくらい我慢しろ」
「ハル兄、サクラにしーちゃん渡して、後悔してる?」
「するものか。サクラは……俺が認めた男だ。俺相手に、シズが欲しいと言い切った。それくらいの度胸ある男でなければ、シズを任せられないさ。それに。もしも俺にいい顔して、その裏でシズを最後まで抱いてたら、どんな理由があろうときっと俺は許さねぇ」
「サクラの勘違いがなかったとしても、サクラはしなかったと思うよ。本当にハル兄とくっつけようとしてたんだから、昔から。自分の恋心を抑えて」
「ああ。だろうな、シズと一緒に暮らしてシズだけのおねだりだけにさせたあいつの理性には感服する。……だからこそ。もうちょっと焦らしてやろう。焦らされれば焦らされるほど、理性を焦がすほど燃え上がるだろうから。これが、俺のために人生を狂わせたサクラへの、俺からのプレゼントだ」
「ふふふ、僕を助けるために身体を張ってくれた、その友情を僕は忘れない。僕からのプレゼントもサクラわかってくれたかな…」
「わかっているさ。あいつはおかしなところはボケボケしているが、基本は聡い有能な男だから。だからこそ、お前とひと芝居打ったんじゃないか。……こっそり、シズの身体にキスマークつけやがって」
「そういうハル兄だって、その前にかなりつけてたじゃないか」
「「ま、これくらい大目に見れるサクラの度量の広さを、鍛えたってことで」」
そんな自分勝手に笑い合う兄弟の声も届かず。