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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「本当に痛くないのか?」


 サクラの声に甘さが滲む。


「サクラが色々慣らしてくれたからかも。だけど黙っていたいなら……」

「だったら、動いていい……?」


 サクラの上擦ったような声音のおねだりがあたしの耳に届いた。


「あんたを、もっと味わっていい?」


 そんな風に甘えられたら、否とは言えないじゃないか。

 ……言うつもりもないけれど。


「痛くしないで、気持ちよくさせてね」


 そう言うと、あたしのナカのサクラが少し元気を無くした。

 これは初心者には高等技術なのだろうか。


「サクラを奥まで感じさせてね」

「……っ、締めるなっ!!」


 そんなつもりもなかったけれど、それを合図にサクラが動き出す。

 膣壁を擦りながら、大きなモノが出て行く感覚にぶるりとした。

 それがまたゆっくりと入り込んでくれば、あたしの胎内が歓迎してきゅうきゅう喜んでいるのがわかる。その歓迎度は痛みに勝っていく。


「……くっ、なんだよあんたのナカ……、すごっ……」

 仰け反り喉もとをさらすサクラ。


「俺に絡んで……あぁ……、出て行かせまいと……。これが……あんたの、すごく……気持ち、いい……」

 頬から伝い落ちた汗が鎖骨の窪みにたまり、そこから溢れ漏れた汗は、サクラの汗ばんだ肌に染みこんで。

 眉間に皺を寄せて苦悶の表情を見せながらも、半開きの唇から出てくるのは、喘ぐような艶めいた息。


「ああ…、よすぎて…気を抜くと、もっていかれそうだ。…これが、この気持ちいいのが……あんたなのか。シズル……」


 サクラが感じてあたしの名前を呼ぶところを見たかった。

 だけどこれは想像以上で。

 胸がきゅんきゅんどころの話ではなく、身体が蕩けそうになる。

 
 男のくせになんなのこの色気。


「だから、締め付けるなって……」


 怒りながらも、微睡むようなとろみがかった目で笑った。


「愛する女とひとつになれて、嬉しくて暴走するの、こっちは必死に抑えているんだから。もっと長く……いさせてくれよ」
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