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【SS】目が覚めたら…?
第29章 【白雪姫感謝】アナザー○○雪姫
「なあ、味……薄くないか?」
「健康の為です。姫には長生きして頂かないと……」
「サクラ、お前良い奴だな」
ハル雪姫に褒められて、猟師は真っ赤な顔を俯かせる。
「ところでお前、俺を嫁にする気はないか」
途端サクラは、微妙な顔をした。
「俺はあなたの従僕で……」
「いや、夫だ。それで俺様の健康を気遣い、おいしい料理を作れ。健康は長生きに繋がる。長生きこそが強さの秘訣」
自分勝手に強さを解釈している姫は、満面の笑みを浮かべていた。
「……っ」
そのまま流されそうな勢いであることを感じ取ったサクラは、どうしようかと悩み、汗がだくだくと滝のように流れている。
「なんだ、出来ない理由を言え」
ハル雪姫は咥えタバコで腕組みをした。
ぎろりと睨み付けられて、びくびくしながらサクラは言った。
「俺……童貞なんです」
そして、恥ずかしそうに俯いた。
「おぅ、初物か。で?」
「俺、初夜は童貞を脱したいんです」
小さい声でぼそぼそと、サクラは心の内を吐露した。
「それはつまり、俺様の上に乗って思いきり腰を振って俺様に種付けをしたいというのだな?」
「……た、種付け……」
サクラは、ハル雪姫そっくりの不遜な子供がわらわらいる未来を想像して真っ青になった。
幼児から煙草を吸って、ドレスをバタバタ扇いで風を中に入れていそうな…そんなお行儀の悪い不遜な姫達を。
「残念ながら俺様はガキを孕みたくない」
サクラは密やかに安堵のため息を零した。