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【SS】目が覚めたら…?
第29章 【白雪姫感謝】アナザー○○雪姫
 
「姫。姫を抱いてハッピーエンドにしようと思うと、僕の中で"それはいけない"という禁断の血が騒ぐんですが……」

「ああ、俺様もだ。なんだろうな、この拒絶反応。お前に抱かれたい気にはならん。よってお前の嫁には俺様はならん」

「やっぱり? 僕も抱くなら、ここのサクラの方が……」


 妖艶な流し目がサクラに向けられる。

 すると服を着始めていたサクラは、びくっとして嗄れた声を出した。


「わ、私はお婆さんで……」


「うわー残念。僕は枯れ専ではないからね」

「……枯れ専!? 俺様が枯れているといいたいのか!?」

「36歳は微妙だよね…」

「微妙……」


 ハル雪姫は傷ついた顔をしたが、頭をぶんぶんと横に振ってそれを振り切ったようにして言った。

「で、露出狂の変態王子はなにをしにやってきた?」

「え、作者さんに言われて、ガラスの棺をヘリで持ってきたんだけど……、うーんこの全裸のハル雪姫は棺に入りそうな雰囲気じゃないなあ」

「当然。俺様を殺そうというのなら、返り討ちにしてやる」


 林檎をもってきたサクラは、汗をかいて真っ青になっていた。

 6人の小人が倒れているのに、誰も毒林檎が原因だとは言わない。林檎をがっつきすぎて喉につまらせたんだろうと、まるで医者のように観察していた姫の言葉に、誰もが頷いた。


「ぐすぐすっ。シズ……棺に入ってゆっくり眠ってね……」


 全裸のままでシズは、6人の小人達を棺に入れていく。

 
 そのつるつるぶりを横目でちらちらと見ながら、姫はナツに聞く。


「で、王子。お前は棺に入れた死体をどうする気だ?」

「一応予定では、棺には魔法がかけられていて、暫くすると生き返るらしいんだけど…・・」


 ナツ王子が言った瞬間に目映い光があたりをたちこめた。


 そして――。
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