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【SS】目が覚めたら…?
第30章 【ハロウィン企画】Happy Halloween ? 
 


 10月31日当日――。


 佐伯家はカボチャに囲まれていて、住人よりカボチャ様々だ。

 カボチャの刳り抜き方をナツに教えて貰い、佐伯母と共にお化けカボチャを作っていく。

 中のカボチャの肉はナツが颯爽と料理していく。

 カボチャといえば煮物しか思い浮かばなかったけれど、ナツの手に掛かればスイーツにまでなるらしい。


 カボチャ(パンプキン)パイ。

 カボチャアイス。

 カボチャ白玉。

 カボチャプリン。

 カボチャ羊羹。


 和から洋まで、しかも味見させて貰ったら最高においしい。

 甘みを感じないあたしのために、甘みを控えたヘルシースイーツだったらしい。


 パンプキンパイの作り方を教えて貰い、はじめてあたしはパイを作った。

 そんなハロウィンの支度をしているあたし達のもとに、ハル兄が家に帰れないと連絡が、ナツのスマホにあったらしい。


 佐伯家長男のご帰還なくして、すでに白シーツをかぶってゴーストの仮装中の佐伯家両親と、狼男…風、イヌ耳を頭に立てた次男は、落胆して寂しそうだ。ちなみにハル兄の仮装はドラキュラ、あたしは魔女だ。


「波瑠兄、カボチャが好きだから、楽しみにしていたのにな……」


 新発見! 肉とかに好きハル兄は、カボチャもご堪能とは!

 異様に視力がいいのは、カボチャのβ-カロチンを摂取しているからか。


 スイーツ以外にもカボチャ料理はたくさん用意されている。ハル兄がいなければ、なんだか心から喜んで食べられない気がして、皆で消沈してしまう。


 その時、気分転換で新聞を見ていた(らしい)佐伯父の声がした。



「今日のハロウィンには、色々なボランティア団体が仮装して病院に行っているらしいな。あ、ハルの病院にもいるらしいぞ」


 あたしは、作りたてのカボチャパイを見て、いいことを思いついた。


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