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【SS】目が覚めたら…?
第30章 【ハロウィン企画】Happy Halloween ?
「かぼちゃ、かぼちゃ!!」
ええい、黙らんか!!
警備員のお兄ちゃんが、めっちゃ怪しい目で見ているではないか。
このカボチャ、実はその中身は淫魔とばれたら、どないする!!
ひっかくな、剥ぐな、めくるな!!
ハロウィンのカボチャってこんな目に遭うの? え、こういうキャラ?
ええと、たしかあのハロウィン本では……。
「トリック・オア・トリート(Trick or treat) お菓子をくれないと悪戯するよ」
「カボチャ、カボチャ~!!」
まるで聞いてくれない子供達だ。
「トリック・オア・トリート!!」
「きゃはははは。カボチャカボチャ!!」
「このスカートの中もカボチャ?」
「噛みついてもカボチャ?」
ええい、旬の祭がわからない子供達め!!
黙れ、騒ぐな、目立たせるな。警備員のお兄さんがこっちくるではないか!!
だからあたしは――。
「わーい、カボチャさん、ありがとう!!」
なぜお菓子を貰う身のあたしが、悪戯されてお菓子をやるのだ。
しかもお菓子をやるとすぐに遠ざかる日本の子供達は、本場ハロウィンを知っているのだろうか。
――しーちゃん、ジャックのカボチャさんは、お菓子を持って行くのが日本風だよ?
日本の子供は、化け物より怖し。子供を黙らせるは、お菓子なり。
なにやら追いはぎに遭った気分だが、まあ…子供達が笑顔になったのだからいいことにしよう。
「頑張って下さいね」
警備員さんまでチョコを貰うと、なんでここまで笑顔に?
12年後の日本は、不可解なり。