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【SS】目が覚めたら…?
第30章 【ハロウィン企画】Happy Halloween ?
げっそりしながら進み、内科を目指す。
「あ、毎年来るボランティアの方だわ」
「あ、カボチャ……」
次のシマは快く迎えられた。
そうだ、この和やかな視線。これよ、これが欲しかったの。
カボチャ魔女、嬉しくて診察前の病人達にチョコを配る。
そして――。
「うひぃぃぃぃぃぃ!?」
今度はチョコを渡そうとしたおばあさまが、あたしを見るなり胸を押えて倒れ込んだ。
「高島さん!?」
「不整脈が出ているわ、早く中に!!」
ナースふたりが慌てて中に入れる。
『循環器』
ごめんなさい、おばあさま。
受付のところに、お詫びにチョコを10個置いた。
ぺこりと頭を下げて、次にあるはずの内科に進む。
内科が一番大きいらしく、奥の小児科で待つ子供が見える場所までかなり長い距離に診察室がたくさん並んでいるようだ。
待合の患者もここが一番多い。
人目を気にせず、診察室に駆けられている担当医師の名札を見て歩く。
一番端に、『内分泌 佐伯』となっているのを見つけた。
あのふてぶてしいハル兄が、こんな大きい病院で本当に医者として仕事していることが、なんだかくすぐったい気分となって身体がウズウズした。
カボチャ魔女、歓喜に写メを撮る!
「患者さんでしたら、こちらでお並び下さい」
「あ、はい、すみません」
怒られてびびりのカボチャ魔女、狭い待合所に並んでしまった。
肩身狭く座っているが、頭の幅が広くてお隣の邪魔になる。
奇異の目線があたしに向けられても、カボチャは小さくならない。
カルテを持ったナースが次々に患者の名前を呼んでいくが、当然あたしの名前は呼ばれず、ナースに不審な目で見られた。
「お名前は? なに先生で受付で?」
「ボランティア……なんです」
「ボランティアのなにさん? まさか佐伯先生にとか言わないわよね?」
「え、言っちゃだめなんですか!?」
「朝から佐伯先生にとそんな変な被り物したボランティアがおしかけて、佐伯先生機嫌悪くなって。ようやくすべて帰したと思ったのに。まだいたの、さっさと……」
どうする?
会えたところでハル兄の機嫌が悪いらしい。