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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……



 ~Bonus of love~




 もう何度ナツに愛されたのか。

 努力の子ナツに絆され、修行に付き合わされているあたしは、もうぐったりだ。しかし依然元気なナツと、ナツの息子さん。

 さらにはこの親子、双方に努力の子らしく……すればするほどに、余裕めいて成長している気がする。僅かずつだけれど持続力が強まっている。

 途切れないナツの活力が、持続力に流れ込んできたのか。

 同時に、親子共々意地悪で、あたしを簡単にはイカせない。


――ふふふ、おねだりはどうするんだっけ? ちゃんとしーちゃんの可愛いお口で言って。じゃないと、気持ちよくさせてあげないよ。


――ねぇ、僕と僕のコレ、どっちが好き? しーちゃんの好きな方の名前を呼んで? 呼んでくれたら……そっちでしーちゃんをイカせてあげる。僕の名前を呼んだら口と手で。違う名前なら……ふふふ、どうする? 


 刻々と成長出来る若さとは恐ろしい。

 しかもナツは飲み込みが早く、勘がいい。


 達する早さこそあと少しとはいえ、ナツの体は完全にあたしを翻弄する。

 ナツのすべてはあますところなく、あたしを淫らな獣に変えていく。


――ふふふ、しーちゃん。可愛いね、ああ……たまらない。


 その、甘い声と微笑みで。


「ねぇ、ナツ。淫魔が出て来なくてよかったね」


 そう、それが可能になっているのは……ナツの命を脅かすものがお休み中だから。淫魔が寝ているから、ナツも躍起になって修行にいそしんでいるのだろう。……彼があたしとこの先を願うのなら、彼が淫魔と渡り合えるだけの強さがなければならないのだ。

 それがなければ……ナツと抱き合えるのは、きっとこれが最後。

 最後にしないためには、今日中にスキルをあげるしかない。


 或いは……来年のお正月。

 淫魔がまたお休みするのであれば――。


 ナツから、期間限定ゆえの切実さや焦慮感を感じる。

 どこまでもナツには、早漏のような刹那感がちらついているらしい。


「淫魔も正月休みなんてびっくり。よくハル兄知ってたよね」

「ねぇ、しーちゃん。本当はこんなこと聞いちゃいけないのかもしれないけど……」


 ナツが後ろからぎゅっと抱きしめてきた。

 汗ばんだ肌が心地いい。
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