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【SS】目が覚めたら…?
第4章 Ⅲ.??
 

 あのひとは、明日はこのナツに抱かれるのか。


 俺とともに、今までプラトニックを貫いていたナツに、俺は明日、置いてきぼりにされ、俺とナツの差は広げられる――。

 あのひとは、ますます遠くなってしまう――。
 


 辛い正月の始まりか。



「そうだ、サクラ。僕、変な夢を見たんだ」

「夢?」


 ナツは笑った。


「ん。卑猥な神様っていうのが出てきて、正月に何でも願いを叶えてくれるっていうんだ」

 俺は目を細めた。


「それって、おむつをしょった裸のジイサンか? 片手に乗るくらいの」


 するとナツはけらけらと笑う。


「なんだよ、それ!! 声だけだよ、声だけ。本当にサクラの発想って面白いよな」


「そ、そうか……」


 あれは夢だろう。

 なにナツの言葉に反応してしまったんだ、俺。


「で、ナツはなにを願ったんだ?」

「ん……。しーちゃんのナカでしーちゃんと一緒に果ててみたいって」


 ぽっと赤くなりナツは言う。


「明日叶うじゃないか。案外いるかもな、卑猥な神様は」


 俺は笑った。


 俺の夢に出てきたあのジイサンには、そんな力がありそうにも思えない。

 少し……ナツが羨ましく思った。
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