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【SS】目が覚めたら…?
第4章 Ⅲ.??
1月2日――。
朝から姉貴達に連れられ、神社で参拝。
男運のないこの姉貴達たっての希望で、縁結びで有名らしい神社に連れて行く。朝からどぶろくを飲んで酔っ払い、大騒ぎしている女共を車で運ぶのは毎年俺の役目。
「モモ~。あんた着物似合うね~」
「お姉ちゃんが筆下ろししてあげようか~」
「ぎゃはははははは」
ああ、下品な姉貴達。
女なんて嫌だ。
なんでオトコと見れば、そんなことばかり思うんだろう。
そんな目で見られているのなんてぞっとする。
……あのひとは卑猥なことを口にするが、俺を求めない。
あのひとが俺を求めてきたら、どうなんだろう。
俺の最初の相手は、あのひとがいい。
あのひとの乱れる姿を見て、俺を求めさせてみたい。
――ナツ、ああぁあんっ、ナツっ。
俺が聞いたあの声で、俺だけに激しく啼かせてみたい。
……なんてな。
また、叶わぬことを思ってしまった。
少し目を離せば姉貴達がいない。
……ああ、着物でおみくじを結ぶ大木に上り始めている。
「やっぱり頂上に結べば、"待ち人来たる"が早くかなうでしょ」
「ええ、私も私も~」
「私が先っ!!」
……浅ましい。
男運のない女は、おみくじの文字如きであんなになるのか。
他人の振りをしていたら姉貴達がいなくなった。
かなりの人混みの中、慌てて探していたら、
「モモ……モモちゃああああんっ」
あのひとがいた。
とても綺麗な振り袖を着て俺の心は奪われ、その泣き顔に心乱れた。
また泣いている。
また悲しんでいる。
だけど、だからこそ。
また会えた――。