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【SS】目が覚めたら…?
第4章 Ⅲ.??


「波瑠さん……?」

「お~、サクラ。おめでとさん」

「あ、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。……って、どうしたんですか?」

「ああ、愛しの"タカシくん"と姫始めをしたのかって聞いたらこう。きっとタカシくんは他に姫始めをしちゃったっぽいな。じゃなければバイトなんてする暇ねぇだろう」

「余計なお世話ですっ!! 貴方こそ暇人だから……」

「あぁ。だけど昨日ちゃんと姫始めをしたぞ」


 にやりと笑った波瑠さんは、ちょっと田舎くささが残る店員に、あのひととどんな姫始めをしたのかを語った。


 やばい……。

 俺には強烈すぎる……。


「卑猥、卑猥ですっ!! いやあああ、この医者いやあああ」


 店員は絶叫をあげると、波瑠さんは満足そうにタバコをふかした。


「なんだ、お前もあそこの神社に行ったのか」


 コンビニの外で波瑠さんと立ち話をした。

 ランボルギーニでコンビニ……さすがは波瑠さん。


「波瑠さんも行かれたんですか?」

「ああ、さっきな。どうしても欲しいお守りがあって」


 行き違いか。

 この分だと、ナツ達が神社にいたことは知らないようだ。

 今日はナツの時間だというのなら、ナツの動向はあえて言わなくてもいいと思い、俺は黙っていた。


「……縁結びの神社ですからね」


 俺が苦笑すると、波瑠さんはコートの内ポケットからそのお守りを出した。


 ピンク色のお守り。

 その表面には――。


「"安産"……?」


「そう。あそこは元々は子宝&安産の神社だったんだ。それがいつのまにか縁結びになっちまっててな。縁結びのお守りは赤いんだが、赤ばかり売れてピンクがあまり売れてねぇんだと。だから俺が御利益が強まるように、奉納金を献上してきた。ほら、お前もやる」


 沢山出てくるピンク色のお守り。

 買い占めてきたらしい。


「あ、ありがとうございます」


 どうするんだ、俺。


「頑張って、子作りに励めよ」

「は、はい……」



 波瑠さんの命令は絶対的。

 どうするんだ、俺……。

「お前んところに姉貴がいたな。ほら、姉貴の分も」



 出てくる出てくるピンク色のお守り。


 なんでそこまでこのお守りに拘るのか。

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