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【SS】目が覚めたら…?
第4章 Ⅲ.??
「失礼します」
あの人が布団をめくって、俺の横に入ってきた。
「これで少しは温かい?」
俺に抱きついてくるあのひと。
ああ……。
あのひとの香り。
あのひとの肌。
あのひとの――。
「モモ……きゃっ……」
俺はあの人を抱きしめた。
俺の一部だと感じるまでに強く。
このひとが欲しい。
このひとが欲しいんだ。
俺の欲は止らなくて……。
「あ、ああ……」
喘いでいるのは俺。
熱なのか感動なのか……。
「苦しい……っ」
それは風邪によるものか、恋心なのか……。
柔らかなあのひとの体に欲情する。
あのひとの乱れた呼吸を体で感じて、興奮する。
――あああ、ナツ、ナツっ。
「なぁ、俺にも見せて。あんたの感じる顔……」
――いいの、いいの、あああああんっ。
「なぁ……俺の猛りを鎮めて」
抱きたい。
このひとを抱きたい。
俺の色に染めたい。
俺のことだけを感じて貰いたい。
ナツのことも波瑠さんのこともどうでもいい。
このひとが欲しいんだ。
「……することは出来ない」
「どうして……」
「モモちゃん……お熱でいつものモモちゃんじゃないし」
いつもいつも思っている。
いつもいつも抑えていただけで。
「ん……久しぶりに生理になっちゃったし……」
お守りを持って嬉しそうにしていた波瑠さんが思い浮かんだ。
「……っ、……くっ…」
なんだかもう無性に悲しくて。
ぐるぐると悲しみだけが頭に回り、不覚にも泣いてしまう。
「泣かないで、モモちゃん。ね? ごめんね」
「う……ぅっ……」
どうしたんだ、俺。
涙が止らない。
「……お詫びに、モモちゃん……お口でしてあげる」
「……っ?」
そしてあのひとは俺に布団をかけたまま、もぞもぞとその下で動いて、俺のパジャマの下を引きずり下ろした……。