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溺れる
第9章 2度目の葬儀
この頃から、沙耶が盛んに泣き続ける。桃花は、昼間でも誰かがいれば、薬を飲んで寝る事が多くなった。

「じゃ、瑠花。沙耶のこと、お願いね。」
「うん。今日のお姉ちゃん。綺麗だよ。」
「まっ。お土産奮発しようかな?」
「じゃ、行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい。」

瑠花は、玄関を閉めた。

「さぁ、沙耶ちゃん。何をしようかなぁ?」

あ~。

「お天気いいから、後で公園にお散歩いこうね。」

お~。沙耶が、足をばたつかせる。

瑠花は、掃除やお洗濯をし、沙耶をベビーカーに乗せて荷物を持って公園に向かう。

「沙耶ちゃん。お天気良くなって良かったねぇ。」

あ~。

「まだ、沙耶ちゃんには、乗れないけど、ブランコや滑り台があるんだよ。」

あ~。沙耶が、笑う。

「ほら、着いたよ~。」

瑠花が、ベビーカーを押して、公園に入る。
公園には、まだ時間が早いのか、小さな子を連れてるママは、居なかった。
瑠花は、沙耶を抱っこして、ブランコを座って、少し動かす。

キーコキーコ…

「おばちゃん」

目の前に幼稚園児位の男の子がいた。

「なぁに?」
「その子、おばちゃんの子?」
「違うよ。おばちゃんのお姉ちゃんの赤ちゃん。わかるかな?」
「うん。ママにもお姉ちゃんっていう、おばちゃんいるもん。」
「座る?」

男の子が、隣のブランコに座った。

「赤ちゃんのお名前は?」
「沙耶って言うの。」
「昨日、ここに座ってたおばちゃんの子供もさやって言ってたけど、おばちゃんじゃなかった。」
「じゃ、おばちゃんのお姉ちゃんだったりして。」
「そうかなぁ?だって、そのおばちゃん、抱いてた赤ちゃんの頬っぺたつねってたよ。赤ちゃん泣いてたのに。」

そういや、昨日沙耶の頬っぺた赤かったな。まさか…

「でも、おばちゃんはそうゆうことしてないけど、きっとおばちゃんのお姉ちゃんじゃないよ。僕もよく叩かれるよ。弟とケンカすると、ママに頭をべちって。」
「僕は、弟くんが、嫌いなの?」
「好きだよ。可愛いもん。けどね、僕の後ばっかついてくるから。」
「遊んでって言ってるんだよ、きっと。だからさ、今度はさ、君の方から、遊ぼうって言うの。出来るかな?」

コクン…

「偉いね。じゃ、おばちゃん行くね。ばいばい。」

男の子が手を振ってる。


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