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みぃのお話【番外編】
第6章 『旦那様☆ロマンチスト』~クリスマスのお話~
「みーちゃん、なに口にくわえてるんだ?」
「ご、ごみじゃないかな?
はい、みーちゃん、お口からポイして。捨てましょうねー」
みーちゃんが加えていたのはフリンジの毛糸だった。
……バレちゃう!
私は慌てて、ミーちゃんからそれを取り上げると、急いでごみ箱へ捨てた。
……全く。みーちゃんには油断も隙もあったもんじゃない!
お気にいりのオモチャを取り上げられたみーちゃんの態度は、私に対してかなりよそよそししい気がしたけれど、それどころじゃない。
「みーな、モカのドリップパック買ってあったけど、これ飲んでも良いの?」
「うん。良いよ。先週佳世さんと一緒にロートキルシェに行った時に買ってきた奴なんだ。でも、夜、珈琲飲んでも敏さん平気?眠れなくならない?」
「あぁ、俺は珈琲飲んでも眠れないってことは無いから。今日新刊を本屋で買ってきたから、珈琲を飲みにながら読もうかな」
……あせった!ばれちゃったかと思っちゃったよ。
でも、敏さんの行動に不自然なところは無く――というか、前面的に不自然なのは私の方なんだけれど、そんな私の行動に対し、敏さんは特に何も気づいた節も無い事に対してホッとした。