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みぃのお話【番外編】
第2章 『旦那様☆ロマンチスト』~秘密のレシピ~
もう少してお彼岸がやって来る。



秋のお彼岸は敏さんの実家へ。春のお彼岸は私の実家へ。準備のお手伝いにいく。

彼岸の中日には、どちらの実家にも拝みにいくんだくれど。
秋と春、年2回あるそれに、準備のお手伝いに行っているのです。



****


幼いころの思い出。



『彼岸になると、おじいちゃんに会えるんだよ。』



にこにこしながら準備するおばぁちゃんの言葉に、



「おばぁちゃん、死んでしまったら会えないよ。」



幼いあたしは、そのまま答えて。

そしたら、おばぁちゃんはあたしの目を見て言ったっけ。




『此岸(しがん)は私たちの住んでいる世界の事で、欲や煩悩にまみれた世界で東側に。

彼岸(ひがん)は人々が生死の川を渡り欲や煩悩から解放された世界で西側に。

それぞれそこにあってね。


おひさまが真西に沈むとき、彼岸と此岸に道が出来るんだよ。その道を通って御先祖様がいらっしゃるの。だからまた会えるんだよ。


だから、ご先祖様が道を通って遊びに来るから、供養しなきゃね。』


そう言って。「ねぇ、宗次郎さん‥。」

微笑むおばぁちゃんは可愛いくて。綺麗だったな。



『おじいちゃんに会いたいねぇ。』


良くそう言って笑っていたっけ。



そんなおばぁちゃんも数年前に亡くなって。


お彼岸には、おじいちゃんと二人で仲良く遊びに来ているのかしら‥。


お彼岸になると、私はそんなことを思い出したりするのです。

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