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衝動[完]
第3章 すれ違い
「祐センセー!」
声と共にガチャリとドアが開いた。
祐は目を通していた書類から顔を上げて弥生を見つめる。
「また来たの?今日は何?」
「へへへー、切っちゃった。」
弥生のその言葉に、祐は苦笑して手招きする。
「どこ?」
「ここ。紙で切ったの。」
差し出された小さな手の左の人差し指に、スッと線が入り、血が滲んでいた。
祐はその傷と弥生の顔を見比べる。
「舐めときゃ治るでしょ?」
「ひどいっ。紙で切ると痛いんだよ?」
すぐに不満を漏らされた。