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衝動[完]
第3章 すれ違い
弥生は最近、放課後、保健室のベッドを利用していた。
祐が残務整理をするその微かな物音を子守唄に、完全下校の時刻まで一眠りする。
そのひとときは弥生にとって、何にも替え難い時間だった。
だが、いつもなら『どうぞ』と言ってくれる祐が、今日は違った。
「お前、勉強はどうなの?」
イキナリ問われる。
「へ?」
弥生が面食らっていると、祐は溜息を吐き言葉を続ける。
「勉強、ちゃんとやってんの?」
「やってるよ。だって、私春爛学園の学園長になるのが夢だから。」
その言葉に祐は思わず息を呑んだ。
それには気付かず、弥生は少し頬を染めて、瞳を輝かせて祐を正面から真っ直ぐ見つめる。