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衝動[完]
第5章 思い
「あれ?お前、保険室行ったんじゃなかったのか?」
教室に戻ってきた弥生に気づいた巧が聞いた。
「ん。行ったよ。」
「大丈夫なのか?」
「うん。でも、今日はもう帰るね。」
そういう弥生を見ると、
青白い顔。
唇まで青い。
巧は弥生のカバンを持ち、弥生を支えながら廊下に出た。
「松野にはオレから言っといてやる。」
「うん……。お願い。」
「おい、一人で大丈夫か?」
「平気だよ……、こんくらい……。」
「まぁ、あの祐がこのまま帰っていいってんなら、大丈夫なんだろうけどな。」
弥生はそれには答えず、辛そうに微笑んだ。