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衝動[完]
第5章 思い
アパートまで20分の道程を、弥生は必死で歩いた。
道路脇の塀に何度も凭れ掛かりたくなりながら、けれど、一旦止まってしまったらもう歩けなくなりそうで、関節の痛みに耐え、だるい身体を引きずるようにして歩いて行った。
玄関に辿り着き、カバンからカギを取り出しドアを開けると、足がもつれて転びそうになった。
寝室として使っている奥の部屋の襖を開け、制服の上着を脱ぐと、押入れから布団を引っ張り出し、倒れ込むように横になる。
はぁ……はぁ……。
「……っく……う……。」
高熱の為か、泣きたくもないのに涙が溢れて来る。
「だいじょ……ぶ…。こんなの……なんともないっ……。」
祐先生の……先生の邪魔をしてたって解ったことの方が…辛いよ……。