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衝動[完]
第7章 番外編Ⅰ
「弥生。」
ビクッ
突然名前を呼ばれたことにより、体が過剰に反応した。
「な、何?」
「オレのこと、避けてる?」
里美に言われたことを気にしすぎて、自然と祐のことを避けていたのだった。
「さ、避けてるつもりはないよ…?」
「じゃあ何でオレのこと見てくれないの?」
ぐっと言葉に詰まった。
「この前も、待っててって言ったのに帰ったよね?」
祐は何も答えない弥生に告げた。
「オレのこと…嫌いになったの…?」
弥生は思わず祐の方へ振り向いた。
そんなこと、あるはずないのに――…
そして、祐の言葉に弥生は言うべきなのだと決めた。
「先生……今度私に飽きたら……ちゃんとお別れ言ってね?」
「え?」
祐は慌てて弥生を見る。
弥生は懸命に言葉を紡ぐ。
「他の人……抱く前に言って。私……バカだから、きっといつまでも気が付かないと思うんだ。でも……後でそれ解ったら……やっぱり辛いと思うの。だから……。」
「何を……言ってる?」
祐の声が掠れる。