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衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
その様子に祐は唖然とし、暫く弥生を見つめていたが、やがて溜息をひとつ吐くと立ちあがり、頭を掻いた。
「聞きたくないんだ……?」
弥生はゆっくりと頷いた。
「そう。ごめんね、弥生。今まで気付かなくって。」
祐は淋しそうに微笑み、弥生の髪をくしゃっと撫でる。
「ゆう……せんせ…?」
「もう、言わないからね……。安心して?」
そう言うと、弥生が何か言う暇も与えず、部屋から出て行ってしまった。
バタン。
玄関の閉まる音が聞こえた。
弥生はなんとも言えない嫌な予感に、慌てて玄関を出るが、祐の姿は何処にも無かった。