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ナナノナノカカン
第10章 ナナナノジュウ@キイテカイテ
「辛かったな、よしよし」

秋景はナナの口から下着を出し、手指の拘束も解いた。
かはっ、とナナは一度噎せ、その後涙を流した。

泣き喚くわけでも、啜り泣くわけでもなく、
ただ静かに、大粒の涙が頬を伝う。

「ナナ、よしよし、大丈夫だよ」
「怖かった、どこまで行っちゃうのかなって」
「どこまで行っても大丈夫だ」
「だって止まってくれなくて、身体も心も分からなくて」
「分からなくていいんだよ、それが正しい」
「汚いのに、本気になれば逃げられるのに」
「間違ってないよ、何も」

分からなくていい、ただ堕ちろ、と
自分に命じた筈だったが、ナナは何処かで恐れていた。
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