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ナナノナノカカン
第11章 ナナナノジュウイチ@オオトリノオカエリ
「ん、届いた」
「こっちも」

互いの連絡先を登録し、暫し沈黙。
ナナはベッドに腰掛け、秋景もその隣についた。

「ナナ」
「ん?」
「好きとは違うんだろうけど、好きだよ」
「――私も同じ」

見つめ合う。
互いに、不思議な関係だな、と思いながら。
友達ではない。恋人でもない。少し変わった、主従。

「私を見つけてくれてありがとう」
「ん、ナナ――」

ぎゅっ、と抱き締め合う。
歪み、汚れているのに――純粋。

「不思議ね」
「ん?」
「矛盾だらけなんだもん」
「矛盾?」
「そう。痛いのに気持ちいい。
 怖いのにもっと知りたい、されたい
 逃げられるのにそのままで居たい」
「ナナは本当に素質があるんだな」
「そう…なの?」
「きっと、もっと堕ちられるぞ」

秋景は囁いた。
ナナは耳が弱い、もうお見通しだ。

「もう…耳はやめてよ」
「はは、可愛いよ、ナナ」
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