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ナナノナノカカン
第11章 ナナナノジュウイチ@オオトリノオカエリ
長く美しい髪が逆立ち、ゆらゆらと揺れて蛇になる。
――そんな幻さえ見えそうな剣幕のナナに秋景は折れた。
まあこんな主従も面白いじゃないか、決まった形などないのだ、と。

「ああもう、分かった。どこに書くんだ?特別だぞ」
「ふふん、お腹出して」

秋景からマジックを奪い、ナナは目を輝かせる。
秋景はジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外して腹を見せた。

「鍛えてるのね、えい」
「こら、やめろ」
「いいじゃないの」
「ほら書くならさっさと書け」
「ふふふ」

秋景の腹をつついていたナナだったが、
頭を小突かれてその腹部にマジックを走らせた。

「これは誰のことだ」
「秋景のことに決まってるじゃない、読んでみてよ」
「…悪魔、だと?」
「正解」

秋景は衣服を整えながら「お仕置きしないといけないな」と呟いた。

「秋景、連絡先」

お仕置きから逃れるために話題を逸らすナナ。
やれやれ、と秋景は溜め息を吐きながらも携帯電話を取り出した。
ナナも同じく、携帯電話を操作する。
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