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ナナノナノカカン
第6章 ナナナノロク@チンモクトムチ
「わたしは…いけない子、です…ごめんなさいぃ…」

ナナは壁から手を離し、髪を耳の後ろに掛け―
秋景の顔を、目を―蕩けた目で見つめながら言った。

熱った頬は涙に濡れ、鼻水まで垂らし、
額や首筋には汗、張り付いた髪――妖艶だった。

秋景は上着のポケットからハンカチを取り出し、
ナナの汚い顔を優しく拭ってやり、訊ねる。

「どうだった、初めての鞭は」
「…痛かった、けど」

――けど。
その先を言う前に、ナナは秋景の体に腕を回した。
それを抱きとめ、小さな尻に刻まれた痛々しい痕を撫でる秋景。

ナナは「ふふ」と笑ってから言葉を繋いだ。

「――堕ちる、ってこういうことかもしれない、って」
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