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ナナノナノカカン
第6章 ナナナノロク@チンモクトムチ
ナナは小声で「知らない」―
聴こえないだろうと思ってそう言ったらしいが
しっかり秋景の耳に届いていた。

「期待していたんじゃないのか、
 あんな本を持っているくらいなら
 鞭打たれたことはなくても見たことは有ったんだろう?」

嘲笑いながら秋景は詰り、
ナナがぴくりと肩を震わせたと同時に最後の一つを打った。

「い――っ、あ、ん――……っ」
「謝罪はどうした、ん?
 ほら、今すぐ言えば許してやる。
 また最初から、は嫌だよな?
 それともまさか本当にされたいのか」

最初と較べ、ナナの声は甘くなっていた。
秋景は相変わらず冷ややかな色を纏ったままナナに近寄る。
項垂れているために表情は見えないがその呼吸に恍惚の色を見た。
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