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綺麗に汚れて
第1章 一目惚れ
桜井 綾乃【サクライ アヤノ】
あれは十代最後の夏の出来事だった。
彼に出会ったのは…――――
ザァァーン……ザァァーン…
8月。
ギラギラと光る太陽。青色がどこまでも広がる海。
今年で二十歳になるものの、誕生日が10月の私にとっては十代最後の夏。
弾けなきゃ!ってことで親友のサヤカと私は女二人で海水浴に来ていた。
「お姉さーん♪女の子二人で海?」
女二人で海にいると、高確率でナンパされる。
黒い肌に、金色の髪。見るからにチャラチャラした男。
顔は……うん。微妙。
まぁ、イケメンなら彼女いるだろうし、ナンパ男の顔面偏差値なんてのはほぼ低い。
チラッとサヤカを見ると、太陽の日差しを手の平で遮って、影を作りながらスマホをいじっている。
それに小さくため息を吐き、ニコニコ笑顔を振り撒くナンパ男に一応愛想笑いを浮かべてあげた。
「うん。女二人で海。」
「泳がないの?」
「うん。休憩。」
「そっかぁー。あ、名前なんて言うの?」
「綾乃。そっちは?」
中高時代の内に、悪さなら一通りしてきた。
19歳後半になった今では、多少は落ち着いてきた方だと思うけど、だけど私は『いい子』には程遠い人間だ。
ナンパについて行く遊びも経験してるし、ワンナイトラブも経験してる。
男遊びも、知ってる。