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綺麗に汚れて
第2章 秘密の夜
 


お酒が入ると叩いても蹴っても起きることのないサヤカはもちろん爆睡で、しばらくすると翔太くんも眠ってしまった。

私はアキラくんの帰りを待っていたけど、気付いたらお酒のせいもあり、サヤカの隣で横になっている内に眠りに落ちてしまっていた――――



どれくらい眠っていただろう。

多分だけど、二時間くらいかな。


「ん…?」


肩をトントンと叩かれて、寝返りを打ちながら寝ぼけ眼を開けた時…


「あ…アキ……んんっ…」


目の前に微笑むアキラくんがいて、名前を最後まで言い終わらぬ内に意地悪な顔で笑いながらまたキスをされた…

これで四度目のキスだった。


「アキラくん…ほんとに戻ってきてくれたんだ…?」

「約束したじゃん。一回家に帰って風呂入って来たから、遅くなったけど。ごめんね。」

「んーん…嬉しい…」


まだ抜けていないお酒と、まだまだ覚めそうにない眠気を感じながらも起き上がってベッドに座ると、アキラくんがそっと手を握って見つめてきた。


「一緒に寝る?」

「うん…」


サヤカと寝る時は二人一緒と約束したのに、その約束を一瞬で忘れてしまうほどの優しい瞳に誘惑された…

だけど、


「でも…どこで?こっちのベッドにはサヤカいるし…あっちのソファーベッドには翔太くんが…」

「翔太をあそこから追い出して、俺らが二人で使えばいいんだよ。」

「ふふ…追い出すって…いいの?」

「いいのいいの。クスクス…」


ほんとに、アキラくんは『クスクス』って笑う人。

その笑い方が私は好きだ…


ドキドキする胸を押さえていると、アキラくんは握っていた私の手を離し、翔太くんに近付いた。


「翔太!翔太!向こう行って!」

「んん〜…」

「寝ぼけんなっ。ほら向こう!」

「んー……んん〜…」


翔太くんはかなり寝惚けた様子で、アキラくんは強制的に翔太くんをほぼ引きずりながらサヤカの眠るベッドに連れて行っていた。

そして空いたソファーベットに一人で先に横になり、さっきまで翔太くんが使っていた布団を自分に掛けて、それを捲りながら私に微笑みかけてきた。


「おいで?」

「…うん」



 
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