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綺麗に汚れて
第1章 一目惚れ
 


「翔太、まじでかっこよくない!?やばいんだけど!!」


翔太くんたちと少し話して別れた後、サヤカはもう完全に恋する瞳で騒ぎ出す。


「そうー…?」

「かっこいいじゃんっ!!あ、そういえば綾乃、ヒロくんに目つけられてたよねぇ?ふふ♪」


ヒロくん?…あぁ、あのガン黒男のことか。


「興味なーい。ってかあの人、黒すぎでしょ。黒すぎて引くんだけど。」

「あはは…まぁ、綾乃はあの手のタイプは嫌いか?」

「うん。嫌い。しかもチャラそうだし。」


前の彼と別れて、もう何ヶ月経ったっけ。

って言ってもまだ三ヶ月くらいか。

それでも夏は、彼氏が欲しくなる。

燃えるような恋がしたいと思う。


私は男なら誰でもいいわけじゃない。

今この場を楽しむためだけにナンパに着いて行くことはあっても、付き合う男はもう適当には選びたくない。


十代最後。

焦るには早いかもしれないけど、そろそろ本気で付き合える相手を探さないといけないと思ってた。


若気の至りも、遊びの恋も、していい年頃はもう終わったんだって…


「綾乃、ヒロくんが連絡先教えてってさー♪」

「・・・は?」


なのにその夜、数時間前まで一緒にいたサヤカから電話があって、そんなことを言われた。


「連絡取るだけ取ってみれば?ヒロくん、綾乃のことめちゃめちゃ可愛いって言ってたらしいよ!」


違う。だから違うんだって。

連絡取るだけ取ってみるとか、もうそんな『とりあえず』はやめたいんだって。

そんな『とりあえずの関係』は求めてないんだって。


「…やだよ。あんな男、興味ないもん。」



 
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