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可奈さん
第1章 窓辺の彼女
配達はいつも俺とは限らない。木田の時もあるし上原さんやほかの人の時もあった。でもみんな、ムカつくおやじの事より可奈さんが美人だという事にだけテンションを上げて戻って来る。
それもなぜかムカつく。
配達中に見掛けていた高級車がぱったり見えなくなってから、待ちわびていた月に1、2度の注文も途絶えた。
木田も上原さんも気にしてない。でも俺は違う。
可奈さん…
そんなにアイツに惚れてたのか。
俺はヤツの裏切りと、何もできない自分に苛立ち、そしてその度に、俺は一体何をやっているんだと冷静に自分を見つめた。
「君にはまだ早い」
ヤツの言う通りだと思う。
──早く来いよー
木田のメールに舌打ちして、階段を下りる。
薄っぺらい会話が行き交い、作り笑いで場を埋め尽くすだけの合コンにもいい加減飽きてきた。
俺だってユミがいるんだ。明日はユミと寝て、いつもの俺を取り戻す、次の土曜日まで。
それもなぜかムカつく。
配達中に見掛けていた高級車がぱったり見えなくなってから、待ちわびていた月に1、2度の注文も途絶えた。
木田も上原さんも気にしてない。でも俺は違う。
可奈さん…
そんなにアイツに惚れてたのか。
俺はヤツの裏切りと、何もできない自分に苛立ち、そしてその度に、俺は一体何をやっているんだと冷静に自分を見つめた。
「君にはまだ早い」
ヤツの言う通りだと思う。
──早く来いよー
木田のメールに舌打ちして、階段を下りる。
薄っぺらい会話が行き交い、作り笑いで場を埋め尽くすだけの合コンにもいい加減飽きてきた。
俺だってユミがいるんだ。明日はユミと寝て、いつもの俺を取り戻す、次の土曜日まで。