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第7章 恋敵

「あぁ、手、切るなよ」

「はい」


ﾎｳｷで破片を集める音がｶﾁｬｶﾁｬ聴こえる。


そうだ、俺は大事な事をまだ訊いていない。


「あの…さっきの」

「なんだよ」
「なんだよ」

「その、惚れても無駄とかなんとか…」


2人が顔を見合わせた。


「まあ、やめておけ」

「うん、ｷﾐでは無理だ」


勝手に決めるな。


「だから、どうしてですか？」


修平さんが隣に座り肩を寄せてくる。


「可奈はな…」

「…はい」


ｺﾞｸｯ…


「ﾌｧｻﾞｺﾝだ」

「え…」


えーーっ！


ｶﾞﾗｶﾞﾗと音を立てて足元が崩れ、俺は瓦礫の中に埋もれた。


「………」


なんてこった

それは違う、と言えない理由を俺自身が知っている。


「それに…、あいつは恐ろしく鈍感な女なんだ」

「そうだな」


小山さんが相槌を打った。