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可奈さん
第7章 恋敵
「そしたら可奈のやつ、せっかくの4ドアなのに助手席側のドアを開けて、わざわざ背もたれ倒してから後ろに乗り込みやがった、…なんかここ狭いね~って言いながら」


………


ぶ、ぶはははは…



俺はカウンターを叩きながらひとしきり笑った。


「そ、それ、いつの話ですか?」

「ん~10年ぐらいになるかな、伝説だよ伝説」

「真面目にやってるだけなのに…」


可奈さんの一言にまたみんな笑った。


小山さんがメガネを外してレンズを拭く。
修平さんがバンダナを取って髪を掻き上げる。

こうやってみると、修平さんも小山さんもなかなかかっこいい。
そして、愛すべき人達だ。

可奈さんを真ん中にして、2人は友情を壊さなかった。


「いいなぁ」


麻由さんがしみじみと言った。

俺もそう思う。

可奈さんは戻ってきたんだ。
いつもの場所に。
愉快で楽しい仲間の元に。



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